
TCBS Agar
TCBS寒天培地
別名・略称:TCBS · Thiosulfate-Citrate-Bile-Sucrose Agar · Thiosulphate Citrate Bile Salts Sucrose Agar · Vibrio Selective Agar
臨床・非臨床検体からの Vibrio cholerae およびその他の腸管病原性ビブリオの選択分離と培養に用います。
- 分類
- 乾燥培地
- 1 L あたり溶解量
- 85.45 g
- 包装
- 500 g · 5 kg · 25 kg
- 認証
- Halal
データ更新日:2026-11-07
他社製品との対照:BD Difco TCBS Agar · Oxoid TCBS Cholera Medium · Merck TCBS Agar(ISO 21872-1、FDA BAM) ブランド対照表
製品概要
TCBS Agar は寒天(固形)培地で、食品検査や臨床検査に用いる選択培地で、競合菌を抑制し、目的菌のコロニーを識別できるようにします。チオ硫酸塩、クエン酸塩、胆汁酸塩が競合菌を抑制し、ビブリオ属の分離に用いられます。STBIO は食品グレードの原料を用いて ISO 22000 認証取得施設で製造し、各バッチに試験成績書(COA)を添付しています。本製品はハラール認証版です。
原理
TCBS Agar は、Vibrio cholerae および Vibrio parahaemolyticus の分離のための高選択性培地で、中西の培地を改変した小林らの処方に従って調製されます。¹ ペプトン、プロテオースペプトン、酵母エキスが微生物の発育に必要な窒素、ビタミン、増殖因子を供給します。培地の強いアルカリ性と高濃度のチオ硫酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムが腸内細菌科菌群の大部分を抑制し、牛胆汁とコール酸ナトリウムが腸球菌とグラム陽性菌を抑えます。² 塩化ナトリウムは浸透圧バランスを維持し、好塩性ビブリオの発育を支えます。ショ糖が発酵性炭水化物で、ショ糖を発酵する微生物は pH を下げてブロモチモールブルーとチモールブルーの指示薬を変色させ黄色コロニーを形成し(例:Vibrio cholerae)、Vibrio parahaemolyticus などのショ糖非発酵菌は青緑色のコロニーを形成します。² チオ硫酸ナトリウムは硫黄源として働き、クエン酸鉄(III)とともに硫化水素産生を検出します。
試験ワークフローにおける選択培地の位置づけ
病原菌試験は通常3段階で行います。まずBuffered Peptone Waterなどの前増菌培地で損傷菌を修復し菌数を増やし、次に選択増菌で競合菌を抑制し、最後に選択・鑑別寒天培地で目的のコロニーを分離します。選択剤には胆汁酸塩、色素、抗生物質などが用いられ、鑑別剤により目的のコロニーが特徴的な色や形態を示します。採用する試験法で規定された組み合わせをお選びください。
調製方法
粉末 85.5 g を精製水 1 Lに懸濁します。撹拌しながら加熱し、完全に溶解するまで 1 分間煮沸します。オートクレーブ滅菌はしないでください。45〜50 °C に冷却します。よく混和し、滅菌シャーレに分注します。
培養性能試験
| 試験菌株 | ATCC | 発育 |
|---|---|---|
| Vibrio cholerae | 9459 | 良好〜旺盛 |
| Vibrio parahaemolyticus | 17802 | 良好〜旺盛 |
| Escherichia coli | 25922 | 部分的に抑制 |
| Enterococcus faecalis | 29212 | 発育抑制 |
製品の特長
- ハラール認証取得、マレーシア、インドネシア、中東市場に対応
- 標準組成に基づいて製造、1 Lあたり85.45 g
- 出荷前に標準対照菌株による性能を確認(Vibrio cholerae, Vibrio parahaemolyticus, Escherichia coli, Enterococcus faecalis)
- 500 g / 5 kg / 25 kgでご用意、試験室規模から工業規模まで対応
- 試験成績書(COA)、規格書、技術データシート(TDS)をご提供可能、サンプルはご要望に応じて対応
- 台湾製、安定供給
日本の公定法(食品衛生法 規格基準・通知)
本製品は「食品、添加物等の規格基準」(昭和 34 年厚生省告示第 370 号)各条の試験法、および厚生労働省通知(食肉製品のサルモネラ属菌・黄色ブドウ球菌試験法、平成 27 年食安発 0729 第 4 号)で指定されている培地に対応します。食品衛生検査指針の記載も併せてご確認ください。
- 腸炎ビブリオ試験法(TCBS 寒天培地)告示第370号 各条(ゆでだこ・ゆでがに・生食用鮮魚介類)分離平板方法原文での名称:TCBS 寒天培地
規格基準・通知が定めるのは試験法と培地名であり、培地ブランドを認証するものではありません。卵黄・血液・抗生物質などの添加物は方法に従って加えてください。方法の内容は現行の告示・通知の原文に従ってください。
よくあるご質問
01この培地は食品衛生法の公定法(規格基準の試験法)に対応していますか?
規格基準・通知が定めるのは試験法と培地名であり、ブランドを認証するものではありません。本製品は次の公定法で指定されている培地に対応します:腸炎ビブリオ試験法(TCBS 寒天培地)(告示第370号 各条(ゆでだこ・ゆでがに・生食用鮮魚介類)):分離平板。方法原文の標準処方で製造し、ロットごとに試験成績書(COA)を添付します。卵黄・血液・抗生物質などの添加物は方法に従って加え、現行の告示・通知の原文に従ってください。
02選択培地はオートクレーブ滅菌できますか?
必ずしもできるとは限りません。色素や選択的阻害剤を含む一部の培地は、過熱すると選択性が失われるため、完全に溶解するまで加熱するにとどめ、オートクレーブ滅菌は行いません。本製品の調製方法に従い、ご不明な点はお問い合わせください。
031 L あたり何 g の粉末を加えますか?
脱イオン水 1 L あたり 85.45 g を加えます。調製・滅菌条件は規格書をご参照ください。
04どの菌種に適していますか?
Vibrio cholerae, Vibrio parahaemolyticus, Escherichia coli, Enterococcus faecalis。詳細は発育性能試験表と規格書をご参照ください。
05他社の対応製品と適用される標準法は?
処方対照:BD Difco TCBS Agar, Oxoid TCBS Cholera Medium, Merck TCBS Agar。適用標準法:ISO 21872-1, FDA BAM。メーカーにより処方が若干異なる場合があります。規格書をご参照ください。
06この製品はどのように調製しますか?
粉末 85.5 g を精製水 1 Lに懸濁します。撹拌しながら加熱し、完全に溶解するまで 1 分間煮沸します。オートクレーブ滅菌はしないでください。45〜50 °C に冷却します。よく混和し、滅菌シャーレに分注します。
07大口のお見積りはどのように依頼すればよいですか?また、COAは提供してもらえますか?
はい。本製品は500 g, 5 kg, 25 kgでご用意しています。お見積りのご依頼時に用途と数量をお知らせください。1営業日以内にご返信し、試験成績書(COA)、規格書、技術データシート(TDS)をご提供できます。
この製品の用途
関連記事
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- 日本の公定法・薬局方で使う培地と STBIO MEDIA の対応製品:標準寒天培地、SCD 寒天培地、BGLB 培地食品衛生法の一般生菌数・大腸菌群、日本薬局方の微生物限度試験・無菌試験で指定される培地の日本での一般名と、STBIO MEDIA の対応製品(Plate Count Agar、Tryptic Soy Agar、Brilliant Green Bile Broth など)を対照表で整理しました。
参考文献
- 1. Kobayashi T., Enomoto S., Sakazaki R. and Kuwahara S., 1963. A new selective isolation medium for pathogenic vibrios: TCBS agar. Jpn. J. Bacteriol., 18:387-391.
- 2. Atlas R. M., 2010. Handbook of Microbiological Media, 4th Ed., CRC Press, Boca Raton.
